美人局とは?意味と読み方、犯罪になる理由
美人局とは、男女が共謀して第三者から金銭をだまし取る詐欺行為のことを指します。
たとえば、女性が男性に接近して好意を示し、二人きりになった場面で共犯の男性(夫や恋人)が現れ、「不倫」「未成年との関係」などと脅して金を要求する典型的な手口です。
美人局の読み方と語源
「美人局」と書いて「つつもたせ」と読みます。この言葉の由来は、江戸時代に遡ります。
美女を「筒」(入れ物)、それに伴って騙す男を「持たせ」と呼んだのが語源とされています。
美しい女性を利用し、油断した相手から金品を巻き上げる行為を象徴的に表している言葉です。
なぜ犯罪?成立する主な罪名と罰則
美人局は明確な犯罪行為であり、複数の罪に該当する可能性があります。
- 恐喝罪(刑法第249条):脅迫により金銭を要求する行為は、恐喝罪に該当し、10年以下の懲役が科される可能性があります。
- 強盗罪(刑法第236条):暴力や脅迫を用いて金品を奪う場合、強盗罪が成立し、5年以上の有期懲役が科されます。
- 暴行罪・傷害罪(刑法第208条・第204条):被害者に対する暴力行為は暴行罪、怪我を負わせた場合は傷害罪に該当します。
- 詐欺罪(刑法第246条):虚偽の情報で相手を騙し、金銭を得る行為は詐欺罪となり、10年以下の懲役が科される可能性があります。
これらの罪は、単独で成立するだけでなく、複数が同時に適用されることもあります。
「家族や職場に知られたくない」という心理から泣き寝入りしてしまう被害者もいますが、放置すればさらなる被害を招く可能性もあるでしょう。
だからこそ、冷静に対応するための準備と知識を持っておくことが大切です。
美人局の主な手口とは?
美人局は、具体的にどのような手口で進められるのでしょうか?
ここでは、よくある3つの手口について詳しく説明をしていきます。
マッチングアプリや出会い系サイトを用いた手口
美人局は、マッチングアプリや出会い系サイトなどインターネット上でのやり取りがきっかけで発生してしまうことが多いです。
具体的な手口として、出会いを求めてマッチングアプリや出会い系サイトに登録した男性を狙って、加害者の女性が積極的に好意を寄せてきます。
そして、数回のやり取りを通して、女性から男性に「実際に会ってみたい。」と誘い出して、直接会い、男性と身体の関係を持ちたいと誘います。
その後、ホテルや自宅などで性交渉をしようとしたところに、加害者の女性の夫と名乗る人物が突然現れ、被害者の男性を脅したり、暴力を振るったりして、お金を騙し取るという流れで進められます。
また、近年ではマッチングアプリ内や出会い系サイト内でやり取りするのではなく、XやInstagram、LINEなどの外部の連絡ツールやSNSに誘導してやり取りさせるケースも少なくはありません。
居酒屋など飲食店で知り合う手口
インターネット上だけではなく、居酒屋やバーなどの飲食店でも美人局の被害は非常に多いです。
飲食店を用いた美人局の手口は、次のような流れで進められることが一般的です。
加害者の女性が居酒屋やバーで一人で飲んでいる男性に「隣で飲んでいいか。」「一緒に飲みたい。」などと誘って、アプローチをしてきます。
そして、男性が酔って気分が高揚しているところを狙って、加害者の女性が男性に身体の関係を持つ話を持ちかけてきます。
ここで被害に遭ってしまう男性は女性に気を許してしまい、女性と一緒にホテルや自宅に着いてきます。
しかし、ホテルや自宅に行こうとした瞬間や、肉体関係を持った後に、加害者の女性の夫と名乗る人物が現れ、脅された結果お金を騙し取られてしまうのです。
このように美人局は、インターネット上での出会いだけではなく、普通に生活していても被害に遭う確率が高いものなのです。
未成年を利用する手口
美人局の中には、未成年の女性を利用して、被害者男性からお金を騙し取るケースも実はあります。
例えば、マッチングアプリ上で18歳以上と言ってた女性が実は16歳で、加害者から「未成年と淫行したことをバラすぞ」と脅されて、お金を支払ってしまうパターンなどが挙げられます。
未成年と淫行してしまうと、被害者側も法で処罰されるのではないかと思われがちですが、実は未成年と知らないで美人局に騙されてしまったケースについては処罰の対象にはならないこともあるのです。
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実際にあった美人局の被害事例
美人局の被害は、マッチングアプリやSNS、居酒屋など日常のあらゆる場面で起きています。
ここでは、実際に被害を受けた2人の男性のケースをもとに、美人局がどのように仕掛けられ、どんな心理的・経済的ダメージをもたらすのかを詳しく紹介します。
美人局には、マッチングアプリなどを利用して犯行をおこなったり、居酒屋など飲食店で知り合って犯行をおこなったりなど、さまざまな手口があります。
マッチングアプリで知り合った女性が美人局だったケース
女性と知り合うためにマッチングアプリに登録した40代男性の事例です。
彼には妻と子供がいるが、学生時代の友人から「マッチングアプリは簡単に若い女の子と知り合えるからおすすめ。」と言われたことがきっかけで、興味本位でマッチングアプリに登録しました。
はじめてマッチングアプリに登録したため、やり方がわからなくて、しばらく誰ともマッチングしませんでしたが、ある日彼の好きな芸能人にそっくりな見た目の女性とたまたまマッチングしました。思い切ってメッセージを送ってみると、すぐに返事が返ってきて、そのまま他愛ないやり取りをし続けました。
そして翌日には、女性から「◯◯さんとお話しするのすごく楽しい!近日都内で会えませんか?」と誘いの連絡が来ました。
彼は、「マッチングアプリって本当に簡単に女の子と会えるんだ!」と嬉しい気持ちになり、早速女性と会う予定を立てました。
約束した当日に、待ち合わせ場所に行くと、アプリのプロフィール画像と同様の女性がいて、相手もすぐに彼のことに気づきました。
相手も彼に会えて嬉しそうな様子でしたが、会ってからこまめに誰かと連絡をしていたのが少し気になりました。
待ち合わせしてからは、彼女が行きつけだというバーに行って、そこでもアプリでのやり取りと同じような他愛ない会話をし続けました。
彼は、彼女が誰かと連絡し続けていたのも気になっていたが、それ以上に楽しい時間を過ごすことができて「まだまだ一緒にいたいな…。」という気持ちになりました。
そんな時に、彼女が「この後もまだ大丈夫ですか?ホテルでゆっくり話さない?」と、なんと初対面にも関わらずホテルに誘ってくれました。
彼には家族がいるので後ろめたい気持ちもありつつも、まだまだ彼女と一緒にいたいという気持ちが勝ってしまい、近隣のホテルに一緒に向かうことにしました。
ホテルに入ろうとしたところで、背後から「おい!」と見知らぬ男性に声をかけられ、振り返ったところ殴られてしまいました。
その男性はなんと、女性の夫のようで彼がバーから出てくるところまで後をつけてきていたそうです。
この状況から彼はようやく自分が美人局に遭っているということに気づき、すぐに警察に電話しようしました。
しかし、男性に「お前の家族に今日のことバラすからな。子供がかわいそう。」と言われ、「家族に知られてしまうのはまずい。」と思い、黙って男性に財布に入っていたお金を全額渡し、その場を逃げました。
損失してしまったお金は5万円ほどでしたが、家族に知られたくないので、この判断は間違ってなかったと思っていたそうです。
その後、男性から連絡が来るのではないかと恐れていましたが、来ることはありませんでした。
また、その恐怖からアプリも削除し、二度とアプリや浮気をするのをやめようと決心しました。
未成年の女性から美人局の被害を受けたケース
会社を経営している50代男性の事例です。
彼は、独身で日頃からマッチングアプリで知り合った女性と出かけてその対価でお金を渡している、いわゆる「パパ活」をしている女性を援助しています。
ある日、いつも使っているマッチングアプリでとある女性と知り合いました。
その女性は、20歳でとある名門大学に通っていて、経営にも興味を持っていることから実際に経営者である彼と話をしてみたいとのことでした。
彼は、女性の真面目そうで熱心な様子から「力になりたい。」と思い、一度会ってみることにしました。
約束の日に会ってみたら、マッチングアプリの写真と比べると少し若そうな見た目でしたが、彼は気にせず食事を共にし、その場を楽しんでいました。
そして、話も盛り上がり、女性からも「まだまだ一緒にいたい。」と言われてしまったため、その言葉に甘えて、近隣にあるホテルに行くことにしました。
ホテルに着いて、二人の時間を過ごせるのかと思いきや、数分後にホテルの部屋をノックする音が聞こえて、慌てて出てみたところ、見知らぬ男性がいました。
男性は女性の恋人のようで、「彼女が知らないおじさんに連れてかれて困ってると連絡がきたんだけど。」と彼に言ってきました。
彼は何のことかわからなく、「知らない。」と言ったが、男性はその言葉を聞かずに部屋の中に勝手に入っていきました。
男性は女性を連れ戻そうとして、「彼女、17歳なんですけど、知ってて連れて行ったのですか?通報しますよ。」と言って、スマホを取り出し警察に連絡する素振りを見せてきました。
彼は、女性のことを20歳と聞いていたので、「何も知らない。」と言いましたが、男性が彼の話を聞くことは一切ありませんでした。
その様子を見て、彼は「警察に通報されたらまずい。」と思い、目の前にいる男性と女性に所持金を全額渡して「今回のことはなかったことにしてほしい。」と言って、帰らせました。
その後、女性から連絡が来ることはなかったのですが、ネットニュースなどを見て、自分が遭った被害が美人局であったということを理解しました。
しかし、女性はもちろんのこと男性の名前も素性も知らないため、解決したいと思っていても自分が犯罪者になってしまうかもしれないと思い、誰かに相談することができていません。
美人局の特徴と見分け方
「まさか自分が騙されるはずがない」そう思っている人ほど、油断からターゲットにされやすい傾向があります。
ここでは、美人局を仕掛ける人物に共通する特徴を紹介します。
初対面の相手に違和感を覚えた場合は、次のような点を確かめてください。
- モデルのような外見に要注意
- 出会ってすぐ好意を示す
- 金銭的な提案や支払いを女性側が提示
- スマホで誰かと頻繁に連絡をとっている
- すぐに身体の関係を持とうとする
モデルのような外見に要注意
美人局に使われる女性は、芸能人やモデルのように整っています。
普通なら出会えない相手が、なぜか自分にだけ好意を示してくる場合は、その状況に違和感を持つことが第一歩です。
過剰に魅力的な容姿を武器に急接近してくる場合は、裏があると考えて警戒しましょう。
出会ってすぐ好意を示す
初対面にもかかわらず「一緒にいて楽しい」「落ち着く」といった言葉で距離を縮めようとするのも、美人局の特徴です。
本来、恋愛関係は時間をかけて築くもの。
あまりに急な展開は不自然です。
情に訴える言葉や過剰な褒め言葉で油断させるケースもあるため、冷静に受け止めることが重要です。
金銭的な提案や支払いを女性側が提示
「私がホテル代を払う」「会うためにお金を渡したい」といった女性側からの金銭的な申し出は、美人局の典型的なパターンです。
通常の出会いでは、女性が積極的に支払いや報酬を申し出ることは稀です。
金銭の話が出た時点で、その好意が罠かもしれないと疑いましょう。
スマホで誰かと頻繁に連絡をとっている
デート中にもかかわらず、相手が頻繁にスマホを操作している場合は注意が必要しましょう。
共犯者と連携を取り、あなたの動向を逐一伝えている可能性があります。
不自然なタイミングでのメッセージ送信や、急な行動変更にも警戒してください。
すぐに身体の関係を持とうとする
「ホテル行こうよ」「一緒に朝までいたい」と、性的関係を急ぐ女性も美人局の可能性があります。
とくに避妊しないことを提案された場合は、後に脅迫材料として使われるリスクもあります。
恋愛関係における自然な進展とは異なるスピード感に違和感を覚えたら、立ち止まる判断力が大切です。
このような特徴を踏まえ、出会いの段階で“あれ?”と感じたら、その直感を信じて行動を見直しましょう。
美人局対策4つと防止法|被害を避ける行動とは?
「自分は大丈夫」と思っていても、美人局は想像以上に身近な場所に潜んでいます。
ここでは、被害を未然に防ぐための具体的な対策を4つ紹介します。
どれも特別な準備を必要としない、すぐに実践できる防止策です。
個人情報やカード類は最小限に
初対面の相手と会うときは、持ち物に注意しましょう。
身分証明書やクレジットカードは、できるだけ持ち歩かず、財布に入れる現金も必要最低限にとどめるのが安全です。
免許証・保険証・マイナンバーカードなどの個人情報が詰まったものは、ホテルや密室に入る場合は持ち込まないのが賢明です。
これらは盗み見や写真撮影、脅しの材料として利用される恐れがあります。
待ち合わせは駅前など人の多い場所で
待ち合わせ場所の選び方も、被害を防ぐための重要なポイントです。
路地裏、個室カフェ、人気のない駐車場などは、加害者にとって都合のよい空間です。
できるだけ人通りが多く、逃げ道が確保しやすい「駅前」や「繁華街の大通り」などを指定しましょう。
相手がそういった場所を避けたがる場合、それ自体が警戒のサインです。
誘導が不自然な場合はすぐ断る
会話や相手の振る舞いがおかしいなと感じたら、無理に相手に合わせずその場を離れる判断も必要です。
少しでも違和感を覚えたら、「やっぱり今日はやめておきます」ときっぱり断る勇気を持ちましょう。
違和感があれば即時撤退
誰かに見られているような気がする、相手の動きが不自然。そんな直感も侮れません。
違和感がある時点で、その場を離れる判断が、自分を守る最善策です。
あらかじめ、人の多い場所や避難先(駅、コンビニ、警察署など)を把握しておくと、万が一の時に落ち着いて行動できます。
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美人局にあった時の対処法|警察・証拠・相談先
万が一巻き込まれてしまった場合は、冷静に行動し、速やかに安全を確保することが大切です。
ここでは、被害時にとるべき具体的なステップを解説します。
その場を離れて冷静に対応
まず最優先すべきは、自分の安全を確保しましょう。
相手と交渉しようとしたり、言い返したりするのは逆効果になる恐れがあります。
加害者が複数いる場合、暴力に発展する危険性もあります。
人通りの多い場所やコンビニ、警察署などに避難し、相手との接触を断ちましょう。
警察へ相談する前に確認すべきこと
美人局は恐喝や強盗などの刑法に抵触する犯罪です。
ためらわず警察に相談することが重要ですが、よりスムーズな対応のためには、状況を整理しておく必要があります。
たとえば以下のような情報を、可能な範囲でまとめておきましょう。
- 出会った経緯(アプリ名や場所)
- 会話の内容や金銭の要求があったかどうか
- 相手の名前・顔・連絡先など
感情的になるよりも、時系列に沿って淡々と事実を伝える方が、警察の対応も迅速になります。
証拠を残す工夫(録音・メモ・位置情報)
警察が捜査に動くためには、証拠の有無が非常に重要です。
余裕があれば、次のような方法で記録を残しましょう。
- スマートフォンで音声を録音
- 位置情報を家族や友人と共有
- LINEやメッセージのやり取りを保存
- 現場の写真や時間の記録をメモする
些細な情報が加害者を特定する決め手になる場合があります。
できるだけその場でメモや記録を残し、後からでも再現できる状態にしておきましょう。
探偵に相談するという選択肢
相手の身元が分からない、証拠が不十分で警察に相談しづらい。
そんなときは、探偵事務所に相談する方法もあります。
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探偵に相談すべき理由とは?詐欺被害調査の実態
「もしかして美人局かも」と気づいても、誰にも相談できず一人で抱え込んでしまう人は少なくありません。
しかし、被害を未然に防ぎ、適切に対処するためには、専門家のサポートを受けることが非常に重要です。
ここでは、T.L探偵事務所が提供する詐欺被害調査の実際についてご紹介します。
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調査の流れは以下のようにシンプルです。
1. 無料相談(電話・メール・LINE)
2. お見積もり提示
3. 調査開始
4. 報告書の提出
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費用は調査内容と時間によって異なりますが、浮気や詐欺調査の場合、基本料金は3時間66,000円(税込)から。
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【まとめ】美人局への対処をしっかりおこない安全に出会いを求めよう
美人局は誰もが巻き込まれる可能性のある、現代における身近な詐欺犯罪です。
マッチングアプリやSNSの普及により、出会いのハードルが下がった一方で、悪質な手口に引っかかるリスクも高まっています。
その手口は巧妙で、「まさか自分が」と思っていた人ほど油断を突かれやすいのが現実です。
だからこそ、事前に見抜くポイントを知り、冷静に対処できる準備が何より重要です。
この記事で紹介した知識を持っているだけで、身を守れる確率は大きく変わります。
不安を感じたときは、一人で抱え込まず、警察や弁護士、探偵事務所のような専門家へ相談してもいいかもしれません。
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