捜索願不受理届とは?

捜索願不受理届とは、配偶者や家族、ストーカーから捜索願(行方不明者届)を提出された際、警察が彼らに居場所や連絡先を伝えないようにするための手続きのことです。
まず知っておいていただきたいのが、実は「捜索願不受理届」という名称の正式な書類は存在しないという点です。
一般的にそう呼ばれていますが、実際には警察に対して「行方不明者届が提出されても、相手に情報を教えないでほしい」という意思表示を行い、特定の書類(同意書や支援措置申出書など)を提出することを指します。
通常、家族などから捜索願が提出されると、警察がそれを受理して、事件性の高いものであれば捜索をします。
しかし、DVやモラハラ、ストーカーなどの被害に遭っている人物が、すでに警察でこの手続きを済ませている場合、警察は被害者の安全を最優先に尊重しなくてはなりません。
そのため、捜索願不受理届がすでになされている状態で捜索願を提出されても、警察は捜索をしないのはもちろんのこと、相手に居場所や連絡先を伝えることはできないのです。
このように、加害者から逃れて被害を軽減させるために、この制度が活用されています。
捜索願不受理届の手続きができるケース・できないケース

捜索願不受理届の手続きを行うには、警察が「保護の必要がある」と判断する一定の条件に当てはまっている必要があります。
基本的には、以下のような被害に遭っている方が対象となります。
- 配偶者からDVやモラハラを受けている
- 親権者や家族から虐待(肉体的・精神的)を受けている
- ストーカーの被害に遭っている
捜索願不受理届は、もともとDVやモラハラ、ストーカーの被害から守ることを目的として作られたものです。
つまり、自分の居場所を知らされることにより、DVやモラハラ、ストーカーの被害がエスカレートしてしまうリスクが高い人が「加害者に居場所を知らせたくない」という意思を示すための救済措置でもあります。
このような深刻な事情がある場合に認められるものなので、以下のようなケースでは手続きができません。
- ただ目をくらませたい、なんとなく逃げたい場合
- 借金などを理由に失踪している
- 事件性や被害の実態がない場合
特に家出をしている未成年の場合は、親に虐待などの明らかな非がない限り、警察は「親の監督下に戻すべき」と判断するため、不受理の手続きは非常に困難です。
しかし、捜索願不受理届の手続きを検討している方の中には「親から虐待を受けている」「毒親から逃げたい」と考えている方もいらっしゃるでしょう。
そのような方は、児童相談所に相談をしてみるなど、別の手段を検討してみることをおすすめします。
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捜索願不受理届の手続きと受理されるポイント

配偶者からのDVやモラハラやストーカーの被害を受けていることにより、自分の居場所を特定の人物に知らせたくない方は、早急に捜索願不受理届の手続きを行いましょう。
手続きを確実に受理してもらうためには、単に「探さないでほしい」と伝えるだけでなく、被害の実態を証明することが重要です。
一般的には以下の流れで進めていきます。
- 警察の「生活安全課」へ相談する
- 被害を証明する証拠を持参する
- 「同意書」や「支援措置申出書」などの書類に記入をする
- 家族への「書き置き」を残しておく
警察の「生活安全課」へ相談をする
まずは、自分の住んでいる地域、もしくは避難先となる地域の警察に行って相談しましょう。
相談する窓口は、大抵の場合、生活安全課になります。
地域によって窓口が違うことがあるので、不明な場合は、一度警察に問い合わせをしてみたり、最寄りの警察署のホームページを確認したりしましょう。
相談の際は、今あなたがどのような被害を受けており、なぜ居場所を知られると危険なのかを詳しく説明することで、手続きを進めやすくなります。
被害を証明する証拠を持参する
警察に「保護の必要性がある」と客観的に判断してもらうためには、証拠の提示が非常に有効です。
以下のようなものがあれば、相談時に持参しましょう。
- 暴力を受けた際の診断書や怪我の写真
- 暴言や脅迫内容が記録された音声データ、メール、LINEの画面
- 被害の状況を記録した日記やメモ
これらがあることで、警察側も事態の深刻さを把握しやすくなり、手続きが迅速に進む可能性が高まります。
「同意書」や「支援措置申出書」などの書類に記入をする
相談の結果、警察が手続きの必要性を認めると、書類に記入をしていきます。
先述のとおり、捜索願不受理届という名前の書類は存在しておらず、警察署ごとに用意された「同意書」や「支援措置申出書」などの書類に記入することになります。
記入する内容は、書類によって異なりますが、一例として以下のような内容を記入します。
- 捜索願を提出する可能性がある人物(加害者)の名前や関係
- どのような被害に遭っていたか(DVやストーカーなど)
- 捜索願を提出した人物に対してどのように対応するか(生存のみ伝えてほしいなど)
この書類が都道府県警察に登録されることで、万が一加害者が捜索願を出しても、あなたの居場所が守られるようになります。
家族への「書き置き」を残しておく
意外と重要なのが、家を出る際に家族や同居人へ「書き置き(失踪宣告書)」を残しておくことです。
これは「自分の意思で家を出たのであり、事件や事故に巻き込まれたわけではない」ことを証明するためです。
警察は、書き置きがないまま姿を消した人に対して「事件性が高い」と判断し、全力で捜索を開始してしまうことがあります。
しかし、「自分の意思で避難する。探さないでほしい。警察には相談済みである」といった趣旨の書き置きがあれば、警察も「事件性なし(自発的失踪)」として扱いやすくなり、不受理届の効力がより発揮されやすくなります。
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住所を完全に隠すなら「住民票の閲覧制限」も行う

警察での手続きだけでは、実は不十分な場合があります。
加害者が役所で「住民票」や「戸籍の附票」を取得して、あなたの新しい住所を突き止めてしまうリスクがあるからです。
これを防ぐためには、警察への相談と併せて、役所での「住民基本台帳事務における支援措置」の手続きを行うことが必須です。
- 警察から「支援措置」が必要である旨の確認(または証明)をもらう
- お住まいの市区町村役場の窓口へ「支援措置申出書」を提出する
この手続きが完了すると、加害者からの住民票の写し等の交付請求を制限できるようになります。
捜索願を不受理にするのと同時に、住所の閲覧制限もセットで行うことで、初めて物理的な逃げ場が確保されると考えておきましょう。
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捜索願不受理届がもたらす効果と注意点

手続きが受理されると、DVやモラハラ、ストーカーの被害を避けることが期待できます。
ここからは、具体的に発揮される効果について解説します。
加害者が捜索願を提出しても警察が捜索を進めない
警察がすでに捜索願不受理届の手続きを受理していたら、加害者が捜索願を提出しても警察は捜索を進めることができません。
捜索願不受理届の仕組みは、DVやストーカーなどの被害を受けている人のプライバシーと安全を守るためのものです。
警察官が職務質問などであなたに接触し、生存を確認した場合でも、加害者に対しては「本人の無事は確認できたが、居場所は教えられない」といった回答にとどめてくれます。
ただし、「捜索願を拒否し、完全に受け付けない」というわけではありません。
あくまで「被害者の居場所や連絡先を加害者に伝えないことを約束するもの」だということを忘れないようにしましょう。
有効期限は特に定められていない
捜索願(行方不明者届)に関する警察への依頼には、一般的に有効期限が特に定められていません。
一方で、先述した「住所の閲覧制限」などは、通常1年間など有効期限が定められています。
そのため、1年以上閲覧を制限したいと考えているのであれば、都度更新する必要があります。
警察への相談内容についても、時間が経てば状況が変わることもあります。
「一度出したから一生安心」と思い込まず、避難生活が長引く場合や状況に変化があった場合は、都度警察とコミュニケーションを取り、必要に応じて再度の相談や更新確認を行うようにしてください。
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捜索願を受理してもらえないときの対処法

もしあなたが、家族を探している側の立場で、警察に捜索願を出したのになかなか警察が動いてもらえない場合、相手が捜索願不受理届の手続きをしている可能性が考えられます。
警察は被害者の安全を守る義務があるため、たとえあなたが「DVなんてしていない」と主張しても、相手が警察に被害を訴えて受理されている以上、警察から居場所を聞き出すことは不可能です。
このような場合、どうしても本人の安否を確認したい、あるいは誤解を解くために話し合いたいというのであれば、探偵事務所に調査を依頼するという選択肢があります。
探偵への依頼と注意点
家出・失踪人調査を取り扱っている探偵であれば、警察が捜索をしてくれない場合でも、調査を進めることが可能です。
ただし、以下の点には十分注意してください。
- 犯罪や不当な目的には加担しない
探偵業法に基づき、ストーカー行為やDVの継続など、悪質な目的での調査依頼は一切受けられません。
- クリーンな調査を徹底しているか確認する
優良な探偵事務所は、依頼内容が法に触れないか、調査結果がどう使われるかを厳格に審査します。
正当な理由(生存確認が必要、法的な手続きのために居場所を知る必要があるなど)があり、かつ犯罪性がないと判断される場合に限り、探偵は居場所を探し出すお手伝いをさせていただきます。
警察が動いてくれず、どうしても解決の糸口が見つからないというご家族の方は、一度専門の探偵事務所に事情を話し、相談してみることをおすすめします。
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