探偵業に資格は必要?届出証明書や法律との関係も解説
探偵というと、何かしらの資格や免許が必要に思えますが、実際に国家資格は必要ありません。
しかし、誰でも自由に開業して良いというわけではなく、法律に基づいた届出手続きや遵守すべきルールが設けられています。
探偵として活動するには、正規の手続きを踏んで「探偵業届出証明書」を取得することが前提です。
また、探偵業においては探偵業法と呼ばれる法律の遵守が求められ、これに違反すると罰則の対象になることもあります。
以下では、実際に探偵になるための手続きや、守らなければならないルールについて詳しく見ていきましょう。
探偵業届出証明書とは?国家資格との違い
探偵には医師や弁護士のような国家資格は存在せず、名乗るだけで探偵を名乗ることは可能です。
しかし、業として探偵業務するには公安委員会への届出が義務となります。
この届出が受理されると探偵業届出証明書が交付され、探偵業届出番号も付与されます。
これは正規に営業している証明となるため、依頼者にとっても安心です。
届出には身分証明書や住民票などが必要で、暴力団関係者や前科がある人などは届け出ができません。
手続き自体は難しくありませんが、法律に基づく営業のためには必須です。
探偵業法で定められたルールと注意点
探偵は法律に従って業務する必要があります。
代表的なルールとしては、以下のような義務が定められています。
- 契約時の重要事項説明
- 書面の交付
- 調査内容の秘密保持
一方で、以下のような行為は禁止されています。
- 犯罪や差別につながる調査
- 調査対象者の権利を侵害する行為
- 調査結果の漏洩や悪用
これらに違反すると、探偵本人だけでなく、事務所全体が行政処分や罰則の対象となることもあります。
探偵は調べることだけが仕事ではなく、法の範囲内で誠実に依頼者と向き合う姿勢が求められる職業です。
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探偵調査士検定・探偵業務認定試験とは?有利になる民間資格一覧
探偵になるのに必須の資格はありませんが、専門知識や技術を証明する手段として民間資格が注目されています。
これらは就職・独立時のアピール材料になり、業務の信頼性向上にもつながります。
探偵業務認定試験や探偵調査士検定とは?
ここでは、探偵業界で代表的な2つの民間資格と、現場で重宝されるスキルについて紹介します。
探偵業務認定試験は、一般社団法人日本調査業協会が主催する資格で、法令や調査の基礎を問う筆記試験です。
実務経験があると有利ですが、未経験者でも受験可能です。
一方の探偵調査士検定は、筆記に加えて実技試験もあるのが特徴で、尾行・張り込みなど現場力の評価が重視されます。
現場での経験を積んだ後に挑戦するのが一般的です。
どちらも取得義務はありませんが、スキルの証明として信頼性を高める上で十分な効果が期待できます。
法律知識・撮影・ITスキルなどの重要性
探偵に求められるスキルは多岐にわたります。
以下のような能力は、実務で大いに役立ちます。
- 撮影スキル:証拠映像の質は調査の成否を左右
- PCスキル:報告書作成にWordやExcelは必須
- 法律知識:個人情報保護法や刑法の理解は、調査の適法性を保つうえで必要
これらを身につけておくことで、探偵としての実務力が格段に高まり、依頼者からの信頼も得やすくなります。
探偵に向いてる人の特徴とは?必要なスキルと適性を解説
探偵に資格は不要ですが、誰にでも務まる仕事ではありません。
実際の現場では、一定の適性と精神力が求められます。
ここでは、探偵に向いている人の特徴を紹介します。
忍耐力・体力・洞察力・守秘義務を守れる人
探偵の基本業務は尾行や張り込みなど、長時間の地道な作業が中心です。
そのため、体力と忍耐力が必要です。
また、調査対象の些細な変化に気づける観察力や洞察力も欠かせません。
さらに、調査で得た情報は厳重に管理する必要があり、守秘義務を守れる誠実な姿勢が求められます。
依頼者の信頼を裏切らないためにも、責任感の強さが重要です。
女性探偵が活躍する現場も多数
探偵業は男性のイメージが強いかもしれませんが、実は女性調査員が活躍している現場も多く存在します。
たとえば、浮気調査では警戒されにくい女性の方が有利な場面も増えてきました。
また、女性専用施設や、自然な接触が求められる場面では、女性ならではの対応力が強みとなることもあります。
性別を理由に諦める必要はなく、女性だからこそ活躍できるシーンが増えている職業です。
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探偵になるには?探偵求人と独立開業の選択肢
探偵として働く方法は大きく分けて2つあります。
探偵事務所に就職するか、自分で開業するかです。
どちらを選ぶかは、経験やスキル、目指す働き方によって変わります。
探偵事務所に就職する流れと注意点
未経験者の多くは、まず探偵事務所への就職を目指します。
求人は調査員として募集され、ハローワークや転職サイト、探偵事務所の公式サイトで見つけられます。
必要な条件として、普通自動車免許は必須です。
また、勤務時間が不規則になるため、柔軟な生活スタイルも求められます。
事務所選びでは、探偵業届出証明書をきちんと取得しているかどうかも重要なポイントです。
無届出の事務所で働くと、法的なリスクを抱える可能性もあります。
開業に必要な準備と届出
開業を目指す場合、まず公安委員会へ探偵業開始届出書を提出し、探偵業届出証明書を取得する必要があります。
必要書類は以下の通りです。
- 探偵業開始届出書
- 履歴書
- 住民票の写し
- 誓約書・身分証明書など
届出には数千円程度の手数料がかかります。
手続き自体は難しくありませんが、調査経験が乏しいまま開業すると、調査の質に問題が出る可能性もあります。
そのため、多くの人は就職して経験を積んでから独立しています。
また、機材費や広告費などの初期費用も見込んで準備することが、スムーズなスタートには欠かせません。
探偵学校に通うべき?学べる内容と選び方のポイント
未経験から探偵を目指したいけど、何から始めればいいかわからないという方にとって、探偵学校は基礎から学べる貴重な場です。
実務を想定したカリキュラムが組まれており、卒業後の進路も多様です。
ただし、全員に必要というわけではなく、費用や目的を考慮したうえで通うか判断しましょう。
このセクションでは、探偵学校で学べる内容やメリット、そして学校選びで気をつけたいポイントを紹介します。
カリキュラム・費用・卒業後の進路
探偵学校では、以下のような実践的な内容を学べます。
- 尾行・張り込みの技術
- 調査報告書の作成
- 法律知識(探偵業法、個人情報保護法など)
- 撮影・盗聴器発見の技術
費用は10万円〜数十万円程度が一般的で、期間は数日から数ヶ月。
通学・通信講座のどちらかを選べる学校もあります。
卒業後は、母体となる探偵事務所への就職や、他社・フリーランスとして活動する道もあります。
ただし、卒業=採用確定ではないため、就職支援の体制を確かめておくと安心です。
学校選びのポイントと注意点
探偵学校は多数存在するため、選ぶ際には以下の点に注意しましょう。
- 運営元が信頼できる探偵事務所か
- 現場経験のある講師が指導しているか
- 実習重視のカリキュラムか
- 卒業生の就職実績があるか
資格取得だけを目的にした高額講座や就職サポートのない学校は注意が必要です。
説明会や体験講座に参加し、内容や雰囲気を自分の目で確かめることが失敗を防ぐ鍵になります。
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まとめ|探偵を目指すなら資格よりも熱意と準備が重要
探偵になるのに国家資格は不要ですが、法律に基づいた届出や、現場で活かせるスキルや姿勢は不可欠です。
民間資格を活用すれば、スキルの証明や信頼の強化にもつながります。
また、観察力や忍耐力、守秘義務を守る誠実さといった資質も重視されるため、自分の適性を見つめ直すことが第一歩です。
女性調査員の活躍も進んでおり、性別にとらわれず挑戦できる職業といえます。
探偵になるための道のりは一つではありません。
学校で学ぶ、事務所に就職する、独立を目指す、それぞれの選択肢にはメリットがあります。
どんな道を選ぶにしても、自分に合ったスタイルで無理なく進めることが成功のカギとなるので、探偵という職業に関心を持ったこの機会に、少しずつ情報を集めてみるのも良いかもしれません。